HAMAKAZE jj: 第12章 成犬の訓練の保持

2018年12月15日土曜日

第12章 成犬の訓練の保持


 今迄述べて来たことが適切に遂行されるならば、その結果は完全に訓練された紳士用のシューティングドックが出来上る筈です。彼のマナーは完全であり、彼はあなたの意のままに、完全な支配下にあるべきです。彼は猟に対し強い熱心さを示し、又それを興味と、大胆さと、決断力を以て為さなければならない。彼の天賦の猟欲は高度に発展しておらなければならず、彼はあなたの支配下にあるとは言え、対称物を選択し、ゲームを積極的に追求することにおいて、頭脳的に狩る自由を持たなければならない。

 彼のグランドランニングとパターンは、望まれたものとあまりかけ離れていてはならず、常に気持良くハンドルされなければならない。彼はゲームに大胆に積極的に近寄り、崇高さや、強烈さ、激しさ等のすべての天賦のスタイルを以てポイントしなければならない。飛翔と発射に対するマナーは完璧であり、運搬の指示がある迄は当初のポイントした姿勢のまま留っていなくてはならない。



 彼の性質は大胆であり、傷ついていてはならない。彼は偉大な自信を持つ一方、常にあなたに反応し、従がわなくてはならない。彼の猟野における態度は他念なく熱中し、その他の時は温く、情愛の籠ったものであるべきだ。彼はあなたのすべての命に直に応じ、次の言葉を理解している必要がある。彼の名前、ノー、ウォー、ステイ、カムイン、グッド・ボーイ、オーライ、ヒール、シット、ダウン、アップ、イン、フェッチ、そしてデッド・バードです。

 彼はホイッスルの短い二吹き、又それの長い、柔らかい転がすような音、そしてあなたのボッブホワイトの鳴声を真似た口笛に応じなくてはならない。今やあなたは犬を、この段階に迄進歩させて来た。あなたはこの状態に良く訓練されたまま、犬を保つことが出来ると私は信じている。あなたを助けるいくつかの示唆を差上げよう。

 一つの重要な事は、彼をブレイキングのしていない、或は未訓練の犬と一緒に狩ってはいけないということです。これにより老練の犬を壊すことがある。あなたは今や未訓練犬や、ブレイキングのしてない裏切者を許すことにより、努力して来た月日や費用を投げ捨てるにはあまりにも犠牲が大きすぎる。もし友人が猟に誘ってくれ、しかも彼がそんな犬を持っているのを知っていたら、アジア風邪に罹るか、或はあなたの犬を持たないで猟に行くか何れかをお奨めする。

 決して不意に現われた鳥を撃ってはいけないし、友人にも撃たせてはいけない。これを撃つということは鱒を釣る為の虫とりか、ビーグルでグラウスを撃つような部類に堕する。不意に現われた鳥を撃つことにより、あなたの犬を駄目にする。もし彼が鶉の群や、1対の山シギを蹴出したような場合、彼の反応はあなたのそれと全く同じであろう。これは今迄彼の心に植え付けて来た事柄とは全く反対のものであり、犬にとって悪い事であり、遂にはゲームを蹴出したことにより却って威勢がついてしまう事になると思う。
 
多人数の猟は出来るだけ避けるが良い。1・2頭の犬の後に、3人を越す人数は何によらず多過ぎる。他の言葉で言えば、3人は仲間であり、4人となるとなると群衆です。こうなると犬にとっては、あまりにも混乱させ興奮させるものです。もし彼が良く訓練された犬なら、彼は発砲者に向くようにパターンを画くだろう。しかし、4つも5つも銃口が取り巻いているような場合に、あなたはどんな種類のパターンを彼に期待するのであろうか?

 他に避けなくてはならないのは、あなたの猟友があなたの犬に話しかけたりハンドルしようとする事です。これは猟のエチケット以前のものだと思う。誰か他の人の犬に対して(勿論要請があった場合は別であるが)話しかけたり、ハンドルしようと試みることは貧しいエチケットの現れです。これが如何に犬を混乱させるものであるかは言う迄もあるまい。もしあなたがそのような立場に置かれたら、逡巡することなく敢然と難局に当り、違反者があなたの犬を駄目にする前に機転のきいた方法で彼に説明しなさい。

 次にあなたの犬を短期間で駄目にするのは友達に貸すことです。これが如何に犬にとって混乱に満ちたことであるか今一度考えても見給え。もし事情がどうしても犬を貸してやりたいような時には、その人にあなたが犬をハンドルするのを見て貰い給え。そしてその人があなた以上にうまく犬をハンドル出来るようになる迄それを見てあげましょう。

 更に彼がしてはならないことを注意してやらなくてはならない。犬が自分で悪い癖をつけて来ることも勿論あり得ることです。例えば兎を追うようなことや、何百という癖があるだろう。悪癖を直すのは、それを芽の内に摘み取ってしまうことが重要であり、悪癖に気がついたら直にそれを矯正してやらなければならない。この例の場合、彼が兎を追うのを見付けた最初の時に「ウォー」を命じ、彼が最初に兎に出会った場所に連れて来て「ノー」の一語を以てムチで彼を打ち給え。一貫して彼が失敗した場合は何時でもそれを行う。程なくその癖は直るであろう。勿論、あなたは犬が狩っているゲーム以外の如何なる獲物も、彼の前で撃ち獲ってはならない。犬が既に理解している命令語は、彼が如何なる悪癖を生じた場合にも皆必要です。

 あなたが多分出会うであろういろいろな場合の詳細については省略するが、しかし積極的な解決の背景は与えよう。鶏を殺すことは、ごくありふれた苦情です。この場合僅か1グラム程の一寸した予防により、100キログラム程の大きな治療となる。換言すれば、決して鶏達に近付けないことにより、犬に鶏を見付けさせないで済むということです。しかし彼が常習的な鶏殺しであったら、「ノー」の命令語に訴えムチで叩きなさい。

 このようにして大体彼を良く訓練された状態に保つことが可能です。勿論彼が間違った場合は、何時もそれを正してやることを継続する。そして彼が何才になろうが、如何なる不作法にも決してさせてはならない。犬は一度訓練されたら、何時迄もそのままでいると思っている人が多い。普通のハンターが一生に持つ犬の数よりも更に多くの、訓練の行き届かない犬を持っている人を私は知っている。彼等は驚くような高い値段で素晴らしく訓練された犬を買って来て、数週間の内に、またたく間に犬を完全に壊してしまい、何時もこれを、犬を売った人のせいにして非難している。

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