2015年2月23日月曜日
旅をする木 星野道夫
前回のノーザンライツに引き続き
星野道夫です。
続けて読むと、点と点が繋がって線になりひとつのベクトルを感じます。
内容的にノーザンライツと被る部分が多いです
ノーザンライツでは著者の関係する人が彼に語り、
史実的に書かれている部分が多いですが
旅をする木では、さらに味わい深く
事細かに、著者の主観で書かれています。
旅をする木とは、星野道夫が敬愛したビル・プルーイットのAnimals of North(極北の動物誌)の第一章のタイトルです。
早春のある日、一羽のツグミがトウヒの木に止まり、この鳥がついばみ落としていった種が織りなす物語。
トウヒの種は様々な偶然を経て川沿いの森に辿りつき、そこで一本の大木に成長。
そして長い年月の後、その大木は川の浸食によってやがて川岸に立つ時が来て、
ついには流れに押し流され、ユーコン川からベーリング海へと運ばれていく。
海を渡ったトウヒは北のツンドラ地帯に流れ着き、木のないその世界で唯一のランドマークとなる。
これに狐がテリトリーの匂いをつけ、やがて、その狐の足跡を追って来たエスキモーに見つけられて、
彼の原野の家のストーブの燃料となる。
ストーブの中で燃え尽きたトウヒは、大気の中に拡散して
そこからまた、新たなトウヒの旅路が始まる。
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