HAMAKAZE jj: 第8章 シューティングドックのブレイキング (強制訓練)

2018年12月11日火曜日

第8章 シューティングドックのブレイキング (強制訓練)


 ブレイキングの語が意味するのは、他の指示がある迄、犬は鳥の飛翔や銃の発射(ウイング・アンド・ショット)にも不動のまま留まっている訓練の事です。この事は実猟をうまく行うのに絶対的に必要なものではない。多くのハンターは飛翔には不動のままにさせ、発射の際は動いても良いとしている。或る人はゲームを更に早く運搬する為に、飛翔でも動いて良いと提唱している。



 私個人としては、シューティングドックは飛翔にも発射にも両者共不動のままで、指示された場合のみ動くべきであると思っている。多分最も重要な事は、ゲームに対しては完璧に不動にブレイク(調教)されているべきなのが本質とされるフィールド・トライアルに、私の犬の殆どが出犬されているからであろう。これを別としても私個人としては、ゲームに対しては不動である犬を見るのを好み、それは彼が完全に支配されていると考えられるからです。

 若し犬が飛翔や発射に際し動くのを許される場合、彼はそれを自分の意志で行う事であり、その時間はあなたの支配を離れる事になるからです。これは正常な首尾一貫した訓練に矛盾する事になる。更に考えられる事として、若し彼に飛翔と発射に際し動く事を許したならば、例えばあなたが犬を見出す前に鳥を叩き出したりするような、いろいろな悪癖に導く事が出来るからです。私が訓練したすべての立派な犬は、皆飛翔と発射に不動であった。立派な猟野の演技犬にとって、如何にこれが重要であると私が感じているかはここで詳述はしまい。

 これについての犬のブレイキングは訓練プログラムにおいて最も難しいものの一つです。これを行うには多くの方法があるけれども、私はここで唯二つの方法をお奨めしよう、私は両者共成功し得ると思っている。しかし不幸にも両者共軽い懲罰を含んでいる。私は未だ懲罰なしに犬をブレーキングする方法を見出していない。犬をブレーキングする上で最も重要な事は、彼がそれに対し既に確実に準備が出来ていると言う事です。若しあなたの犬が何回も頭上でゲームを撃ち落とされ、あなたが到着する迄ポイントしたりするように上述のプログラムを進行させていたならば、彼はブレーキングの準備が出来ている事になる。

 第一の方法は助手の援助を必要とする。犬を平常通り猟野で走らせ給え。犬がポイントしたら出来るだけ早く彼を捕まえ、既に記述したように優しい言葉をかけ、犬を不動にさせ、「ウォー」を命じ犬をなぜてやり給え。そうしたら引き綱を彼の首輪に結び、彼と数分間一緒にいた後に助手にゲームを翔たせる。あなたは引き綱を堅く握っているよう注意する。ゲームが翔ち、犬が鳥を追おうとしたら引き綱で強制的にその場に引き留め、同時に「ウォー」を命ずる。ゲームが去った後、出来る限りポイントした位置の近くに犬を留め、優しく言葉をかけ擦ってやる。これを何時も同じ方法で何回も行う。

 彼が何をするように期待されているかを理解出来たと確信出来た後、彼がなお鳥のあとを追おうと試みる場合は、ムチで彼の前肢を叩き、同時に引き綱をグッと引っぱり「ウォー」を命ずる事を続け給え。この仕事を彼がポイントする都度続け給え。常にあなたの助手に鳥を翔たせ、ブランクガンにせよ猟銃にせよ、このブレーキングの段階では発砲してはならない。彼がブレーキングに応ずるようになった後に始めて射撃し、鳥を撃ち落としても良い。若し鳥を撃ち落してやる場合は彼が正しく演じたかを注意し給え。彼がブレーキング出来始めた後は、彼が正しくゲームに対した時のみ鳥を撃ってやり給え。換言すれば、彼が飛翔に際し不動であった場合だけ撃ち給え。

 この期間には撃ち落とした如何なる鳥も彼の処へ持って帰って来給え。撃ち落とした場合は、あなたか助手がそれを犬の処まで持って帰って来る迄、不動にさせて置き給え。噛ませ、或は頭を食べさせても良いが、このすべての時間の間、彼を元の位置に留め給え。そして猟を続けるよう指示する迄優しく言葉をかけ、彼をさすってやる。この仕事を続ける事により殆んどの犬が間もなくブレイクされる事を見出すだろう。

 彼の天賦のスタイルをそこなわないで犬をブレイクする事は大変コツを要する事であり、人々はしばしばこれを分離させてしまう。良いポイントスタイルにおける重要な性質即ち崇高さ、強さ、気迫等については既に記述して来た。これ等の素質はブレイキングの期間中非常な注意と忍耐を払う事により、又あなたの犬がブレイキングに対し既に準備が出来ている事を確かめる事により、犬に保存して置く事が出来る。この時期に忍耐と努力を惜しんで懲戒を与え過ぎる事はたやすい事であり、その結果、あなたは犬の天賦の精神をくじいてしまう。繰り返すがあなたは判断力を発揮しなくてはいけない。或る犬は他のものよりたくさんの懲戒を必要とするかも知れないし、或る場合には言葉の叱責で充分な事もあるが、望まれた結果を得る為には厳重な体罰が必要な事もある。

 個々の犬の認容力と反応には大変な相違があるので、如何程の懲罰が必要かを規定する事は不可能です。しかし注意深く一貫して犬の精神や個性を観察する事によって個々の懲戒の限度を決定する事が出来るだろう。この時期に、犬がポイントした場合のあなたのマナーについて一言ご注意して置こう。

 それを信じようと或は信じまいと、あなたの態度は直ぐ犬に反映するものです。

 若し犬がポイントした時あなたが興奮したならば、彼も又より以上に興奮し、すべてをほごにしてしまうだろう。一方あなたが冷静に落ち着いて、優しく犬に話しかけるようであるならば、犬も又多分冷静であるだろう。これはあなたの声の他すべての動作に当てはまる事です。彼の処に興奮して突進する代わりに、ゆっくり慎重に歩いてゆき給え。あと数mに近寄った時、優しく言葉を与え給え。これが如何に彼を助け、彼のブレイキングの仕事を易しくするかあなたは驚く事だろう。あなたがこのようにして居る間に或はゲームは立ち去るかも知れないが、それは大した事ではない。

 犬をブレーキングするのにお奨めしたい二番目の方法は、フォースカラー(トゲのように釘が内側についた首輪)を用いる方法です。フォースカラーを用いる場合も、上に記述したのと同じように始める。あなたの犬がポイントしているのに近付いた場合は、優しく言葉をかけ不動のままにさせる。そしてフォースカラーを彼の首にはめる。6m位のチェックコードを首輪に結び、助手に鳥を翔たせる。そして犬が鳥を追って飛び出したら断固として彼を引き止め、同時に「ウォー」を命ずる。そして彼がポイントしていた場所に引き戻し、そこに立たせ優しく話しかけなぜてやる。これを鳥が翔っても立ち止っているようになる迄続ける。次に首輪なしで試みる。若し彼が飛び出したら又首輪をつける。暫くの野外訓練の間チェックコードがついたフォースカラーを用いた方が大変有効である事を見出すだろう。これは第一の方法で彼をブレイキングするのが難しいような場合にのみ為すべきです。殆んどの犬がフォースカラーの使用を必要としないが、或る犬は他の犬より以上に鳥を追いたがるものであり、フォースカラーはこの様な強情な犬に使用する。

 私は特にブレイキングを必要としない犬達を見た事があるが、彼等は飛翔や発射に対し自然に不動を保つように思える。若しあなたの犬がこのような犬の一頭であったらあなたは実に幸運です。只今のところ私は大変幸福です。それは私が持っている系統の犬達はブレイキングするのに大変容易だからです。

 40年前私は現に一頭の台牝をたった一日でブレイキングする事が出来た。この犬は(エルフユー・ミッヂ)非常に進歩が早く既に15ケ月でブレイキングの準備が出来て来た。それは初秋の事であり、私達は夕方遅く猟をしていた。彼女がポイントしたが、そこには雉の一胎が寝屋についているのを私は知っていた。鳥は動かないと感じたので、暫くの間ポイントしている彼女の処で賑やかに喜んであげた。やがて私はそっとフォースカラーをかけ、一人で鳥を翔たせに行った。彼女は鳥が飛び去る迄ポイントを保ってから動き出した。私はチェックコードをしっかりと引戻し、彼女は空中に飛び上りビックリし乍ら落ちて来た。そこで私は彼女をポイントしていた位置に戻し、姿勢を直し優しく言葉をかけ、次の猟を始める前に暫くの間彼女と大げさに騒いでやった。

 彼女はその後の生涯で10回とブレイキングを破らなかったろう。彼女は私か持った中での素晴らしい犬の一つとなった。私は彼女とすべての種類の猟鳥の猟をし彼女は40以上のトライアルに入賞した。今日私の所の犬舎のすべての犬は彼女の血液を受け継いでいる。幸運な事に彼女の素晴らしい素質は、彼女の子孫に何代も受け継がれている。一度あなたの犬にブレイキングが出来たならば、如何なる理由があっても、それを破らせてはならない。若し彼を友人に貸してやるような時は、その人に決して破らせてはならない。あなたの犬が未だ2~3才にならない内は、犬を友人に貸したりする事はお奨め出来ない。殊に若犬などで末だブレイキングが出来ていない事をあなたが承知している他の犬と一緒に働く事もお奨め出来ない。

 あなたのブレイキングが出来た犬を、鳥に飛びかかったり、翔たせたり、又追ったりする犬と一緒に働かせるのは面白い事ではない。若しあなたがそれをさせたなら、あなたの犬は多分競争意識から、視覚によるポイントに基づいた同様の事を為すだろう。殆どの犬がブレイキングの準備が出来るのは普通二年目の終り頃か、或いは第二猟期の中間位であろう。これより早く犬にブレイキングをするのは可能であるが、このスケジュールの年を越えてからの方が良い結果を得るように思う。

 これによってあなたの犬の形式的な訓練は完成される。只今からは彼が今迄に習った事を出来るだけ繰り返し、一般的な猟のコースの中で、彼の悪癖を摘み取りながら、導いて行かなくてはならない。

 運搬は自由選択であるけれども、私はあなたの犬に運搬を教えるようお奨めする。これは次の章でお話ししよう。

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